できもの
にきび
にきびは、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」といいます。毛穴の出口が皮脂や汚れで詰まり、皮脂をエサとする「アクネ菌」が繁殖し、毛穴出口に炎症が起きることでできます。一般的には、おでこや頬、口の周り、下あごなどに出来、思春期から青年期にかけてよくみられます。
にきびには、白にきび(初期のにきびで、毛穴に詰まった皮脂が古くなったもの)、黒にきび(少し進行したにきびで、皮脂が盛り上がって毛穴が開き、皮脂が酸化したもの)、赤にきび(さらに進んだにきびで、毛穴出口が炎症を起こし周囲まで赤く腫れたもの)、黄にきび(さらに進行し、毛穴に膿がたまってズキズキ痛むもの)があります。
イボ
イボは、子どもから大人、高齢者まで、誰にでも出来る可能性があります。イボは大きく2つの種類があります。ウィルスが原因によるものを「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」、体質や加齢によるものを「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」といいます。
尋常性疣贅は、皮膚にできた小さな傷から入り込んだヒトピロマーウィルス(HPV)に感染することでできます。
老人性疣贅は、多量の紫外線を浴びたことや加齢による皮膚の老化によってできるイボです。茶褐色や黒色の盛り上がりのあるイボで、普段から露出する部分(顔や首、腕など)にできます。
たこ、うおのめ
たことは、医学的には「胼胝(べんち)」といいます。皮膚の一部が慢性的に刺激を受け、皮膚の角質層が厚く、硬くなったものです。
通常、痛みは無く、患部の角質が厚くなることで感覚が鈍くなっていることもあります。しかし、痛みや赤味を伴うような場合は細菌感染を起こしている可能性がありますので、早めに皮膚科を受診しましょう。
うおのめは、医学的には「鶏眼(けいがん)」といいます。一般的には、大人の足の裏や足の指にできることが多く、歩行や圧迫による痛みがあります。中心には魚の目のような芯が見えることで、うおのめと呼ばれています。うおのめは皮膚の表面だけを落としても芯が残るため、芯まで取らないと治りません。
ほくろ 腫瘍
ほくろとは、医学的には「母斑(ぼはん)」といい、表皮の中に含まれる母斑細胞(メラニンをつくるメラノサイトの一種)が集まってできた、良性の腫瘍です。大きさは実にさまざまで、数ミリ程度の小さいものから、直径数センチの大きなものまであります。ほくろの形も、平らなもの、盛り上がっているもの、毛(いわゆる、ほくろ毛)が生えているものもあります。一般的なほくろは生まれたときには無く、3~4歳頃からでき初めます。生まれる前からあるほくろは、「先天性色素性母斑」と呼ばれます。
通常、ほくろを刺激しても大きくなるような変化はありません。しかし刺激により大きくなるほくろの中には、悪性の「黒色腫」という腫瘍もあります。
粉瘤
粉瘤(アテロームまたはアテローマともいいます)とは、本来なら皮膚から剥がれ落ちるはずの角質(垢)や皮脂が、剥がれ落ちずに、皮膚の下にできた袋状のスペースに溜まっていくことでできる腫瘍です。袋状のスペースは、垢や皮脂をどんどん溜め込んでしまい、一度できた粉瘤は、時間の経過とともにどんどん大きくなっていきます。顔や首、背中などにできやすく、やや盛り上がった数ミリから数センチ程度の「しこり」になります。
粉瘤の中央部分には、黒い点状の開口部ができることがあり、強く圧迫することで、臭くてドロドロしたものが出てきます。ここから細菌が入り込んで炎症を起こすと、化膿して皮膚が赤く腫れあがり、痛みを伴うことがあります。